本記事を開いていただき、誠にありがとうございます。
はじめまして!
学問ボウズと申します。

みなさまに仏教の教えを広くお伝えできたらと思い、本ブログを開設いたしました。
以下、本記事では簡単に自己紹介や本ブログの説明をさせていただきます。
自己紹介 ―学問ボウズのこれまでと現在―
私は今、とある浄土教系の宗派の寺院で僧侶としてお勤め(法務
)をさせていただいております。
当然ながら僧侶の資格を持っており、いずれそのお寺を継がせていただきます。

またその傍ら、ある大学で仏教、特に日本仏教の研究者として活動しています。
特に、日本における浄土教信仰が専門です。
浄土教信仰については別の記事で詳しく解説していますが、簡単に申し上げると、阿弥陀仏という仏がかまえた極楽浄土(西方浄土)に、死後生まれたいと願う信仰のことです。
阿弥陀仏に帰依する信仰であるため、「阿弥陀仏信仰」や「阿弥陀信仰」という言い方もされます。
浄土教信仰は、古代インドを起源として、中国・朝鮮を通して日本に伝わり、平安時代以降、大変盛んになりました。
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私はお寺に生まれたこともあり、小さい頃から仏教に触れてきました。
また青年の頃からは、仏教を学問対象として、客観的に研究するという人生を送ってきました。
もちろん、僧侶としても研究者としてもまだまだですが、人一倍多くの時間を捧げて、現在進行形で仏教研究に打ち込んでいると自負しています。
私がブログを始めた理由① ―本ブログで行いたいこと―
仏教は紀元前6世紀に始まりました。
つまり仏教は、数千年にもわたる歴史を持っているのです。

インドで生まれた仏教は、中国・朝鮮半島・日本をはじめとする国々に広く伝わり、多くの人々に信仰されてきました。
まさに、人類の知の遺産だといえます。
仏教やキリスト教、イスラム教など、世界には色々な「宗教」があります。
僧侶である私はともかくとして、現代の人たちは一般的に、「宗教」というと、少し近寄りがたいイメージを持つことが多いと思います。
例えば、「信仰ってなんだか怖いし」。
「神様や仏様がいるかどうかも怪しいのに」などなど。
特にお若い方にはこういう考えの方が多いと思います。
簡単にいうと、現代の人たちは「宗教」と聞くと、少し引いてしまうんですね。
私も、お寺での法務を通じて、こういったシーンに出くわすことがあります。
ですので、先に明言しておきたいと思います。
私はこのブログで、信仰を強要するつもりは一切ありません。
もし仮に私が、この記事を僧侶の立場からのみ書くのであれば、「いやいや、怪しいなんて言わずに、仏様の存在を信じましょう」と、法話のように話を進めていかなければならないでしょう。
しかし今私は、僧侶としてだけではなく、一人の研究者という観点も踏まえて本ブログに臨んでいます。
決して、仏教への信仰を強制するために本ブログを運営しているわけではないのです。
では、私は本ブログで何をしたいのか。
それは、仏教の「世界観」をみなさまにお伝えしたいということです。
私は、宗教とは世界観だと思っています。
世界観というと、簡単に聞こえるかもしれません。
でも世界観こそが、私達の生き方を決める根本的なものだといえるでしょう。
例えば、
私たちは何のために生まれ、死んだらどうなるのか?
私たちがいま生きているこの世界はいったい何なのか?
私たちはどう生きるべきなのか?
このような「自己」、「世界」、「命」などについての考え方は、今を生きる私たちにとって根本となる世界観だといえます。
これが違えば、当然生き方も変わるでしょう。
宗教というのは、これらの世界観を与えるものなのです。
私は、このブログで、みなさまに宗教の、特に仏教の世界観をお伝えしたいと思っています。
宗教の思想には、今の私たちが持っている世界観とは異なるものがたくさん含まれています。
受け入れるか入れないかは別として、今の自分が持っていない別の世界観に触れるというのは、とても大事なことです。
もちろん、その世界観を受け入れるか受け入れないかは、人それぞれあって良いです。
また、もし受け入れるという方も、仏教の世界観を受け入れるのか、はたまた別の宗教の世界観を受け入れるのか、それぞれ選んでいただいて良いのです。
受け入れるにしろ、受け入れないにしろ、新たな世界観を知るということのメリットはたくさんあります。
例えば、
自分の考え方を相対化できる。
色んな考え方を許せるようになる。
世界を、自分だけの視点からではなく、複数の観点から俯瞰できる。
などなどです。
このようにメリットだらけなのですから、仏教をはじめとする宗教の思想に、もっと多くの方に気軽に触れていただけたらなと思っています。
というように、ここまで仰々しいことを色々と言ってきましたが、(カッコつけずに)ありていに言うと、シンプルに違う世界観って面白いのです。
特に仏教の世界観は、時には「えー!」と驚くほどのものもあり、ワクワクさせられます。

仏教を信じている人もそうでない人も、ぜひ「一つの思想・世界観」として仏教に触れてみてください!学問・教養として単純に面白いです!
仏教思想を、「宗教だから引いてしまう」ということで敬遠するのは、すごくもったいないです。
だからこそ、この私が少しでも、みなさまに仏教の世界をお伝えする役割を担いたい。
これが、本ブログにこめる私の思いなのです。
仏教に興味のある方もない方も、「宗教だから」と少し引き気味の方も、どんな方でも、ぜひこのブログに気軽に触れていただきたいと思います。
私がブログを始めた理由② ―現状への問題意識―
私がブログを始めたわけには、もう一点あります。
それは、仏教を勉強したい人がいても、良い手段がないということです。
若者の仏教離れが叫ばれる世の中ですが、若い方の中にも、仏教の教えや歴史に関心がある方は、今もなお一定数いらっしゃいます。
私も、仕事柄、そういった方に出会い、嬉しく思う機会があります。
また、若い時にはあまり興味がなかったが、退職して時間ができたから、あるいは死後のことを意識し始めたからなどの理由で、「ようやく仏教に関心が出てきた」という年配の方も、少なからずいらっしゃいます。
僧侶としてはこれは大変ありがたいことです。
仏教研究者としても、自分の専門分野に関心を持つ方がいてくださるのは、大変な喜びです。
しかし、じゃあ「このように仏教に関心を持つ方が、気軽に仏教を学べる環境がありますか?」ということになると、答えはノーだと思います。
現在の日本では、仏教の知識は、かなりアクセスしにくいものになっていると思います。
今の日本で、仏教を学ぶ方法として、大きく三つあるでしょう。
第一の方法とは、学校で学ぶことです。
これは、専門の大学に入学したり、入学しないまでも、お金を払って講座を受けたりするという方法です。
専門家から生で教えてもらえるということですから、きちんと仏教を学びたいなら、この方法がベストです。

しかし現実問題、大学に新しく入るとか、講座に通うとか、難しいですよね。
現役バリバリでお仕事をされている方も多いですし、遠くに住んでおられる方もいます。
そういった方々にはこの方法は現実的ではありません。
大事なのは、自分の時間で、手軽に学べるということでしょう。
そうなれば、第二、第三の方法を選ぶことになるでしょう。
第二の方法とは、書籍を読むことです。
しかし、これは別の意味で難易度が高いです。
書店にある解説書は、種類が多すぎて、どれが良いのかよく分かりません。

しかも、概説書はとにかく全体的な知識を得てもらうために書かれた本ですので、往々にして読むのがきついです。
なぜなら、ただ知識を入れるだけだと、何も面白くないからです。
せめて、どの本がおすすめかを紹介するようなサイトがいくつかあれば良いのですが、私が調べてみたところ、そういうサイトすらほぼありません。
これでは、「手あたり次第に本を買ってみて、頑張って読んでみようとするけど、よく分からず、退屈して諦めてしまった」というパターンに陥ることがほとんどでしょう。
(私も仏教の勉強を始めたばかりのときはそうでした)
「じゃあ飽きずに仏教を学ぶにはこうすればいいじゃん」ということで行きつくのが、第三の方法です。
すなわち、解説系のYouTubeを視聴したり、ブログを読んだりするということです。
これらのメディアは、テーマごとに面白くまとめているので、飽きもきませんし、すんなり知識が入ってきます。
また、本だとハードルが高いという方も、気楽に触れることができ、その点でも良い方法だといえます。

ただし私は、この方法には一つの大きな問題があると思っています。
それは、信憑性の問題です。
私もこれらのメディアを見て勉強させていただくことがありますが、「信憑性はどうなの?どこから裏付けを取っているの?」と思うときがよくあります。
また、「ちゃんと裏付けを取っているけれど、それって数十年前の研究ですよね…」と思うときもよくあります。
学問研究というのは、年々進みます。
分野によっては、数年経っただけで、もっといえば一人の優秀な研究者が登場するだけで、過去の研究が一気に塗り替えられていきます。
特に、仏教学や宗教学、日本思想研究の分野では、それが顕著です。
数十年前には権威ある学説で、通説となっていたものが、今では「過去の誤った説」として片づけられることがよくあります。
それくらい、研究というのは流動性があるものなんですね。
そうじゃなければ、研究者がいる意味はないですし。
ですので、数十年前の研究書にのっかって解説をしても、現代ではあまり意味がありません。
聞き手に間違った知識を教えるということになりかねないのです。
せっかく仏教に触れたいという気持ちが少しでもあるのならば、「最新かつ正しい知識」を学ばないともったいないですよね。
以上のように、今お話しした三つの方法では、「仏教について、正しく、体系的に、分かりやすく、手軽に、自分の生活リズムにマッチする形で学ぶ」ことを全て満たすことはできません。
三つの方法には、みなそれぞれに大きな問題点があるのですね。
私は、今の日本のこのような状況は大変まずいと思っています。
もっと多くの方が、手軽に、楽しく、正しい最新の情報に基づいて仏教を学ぶという機会がなければ、今後仏教は急速に廃れていってしまうでしょう。
何より、このままでは仏教という知の遺産が、研究者や僧侶などの一部の人にしか知られないままということになりますので、それにすごくもったいなさを感じます。
こういう問題意識(もっといえば危機感)により、私は「僧侶であり研究者でもある人間として、楽しくかつ分かりやすく、みなさまに仏教の教えや歴史についてお伝えしよう」と志すようになりました。
ネットで気楽に読めるブログであれば、皆さまの生活スタイルに合わせて、自由にかつ気軽に触れていただけるでしょう。
また研究者として責任を持って、確実な出典や最新の研究に基づく正しい知識をお伝えすることで、皆さまに正しく仏教についての学びを深めていただくことができるでしょう。
こういう考えに至り、私は本ブログの開設を決意したのです。

最後に
色々と書きましたが、要は、最新の研究動向を踏まえた、正しい知識を、分かりやすく皆さまにお伝えすることで、多くの方に仏教の世界観を楽しんでいただきたいということです。
自分の専門が浄土教信仰であることから、おのずと日本の仏教、特に浄土教に関連する解説が多くなりますが、仏教全体にわたって、その思想や歴史を概説することや、テーマごとに解説することなども行います。
また、仏教だけにこだわらず、広く日本の宗教や思想全般に関する紹介や解説などもやっていきます。
ぜひ、気軽に覗いていただければ幸いです!
繰り返しになりますが、仏教の思想は壮大で、その歴史は多様であり、仏教の世界は本当に面白いです。
深く知らずに人生を終えてしまうのは、本当にもったいないです。
ぜひこの私の熱い思いを汲み取っていただき、本ブログにお付き合いいただければ嬉しいです。
ともに学んでいきましょう!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!